レンダリングプリセットを駆使してパース作成を効率化!
–前職では照度設計のお仕事をされていたんですよね?
「照明デザイン事務所でライノセラスやダイアルクスというソフトを使用して建築照明、
商業施設の内装の照明やランドスケープなどの照度設計と作画を担当していました。」
–エクステリア業にジョブチェンジしたのはどういった経緯なのでしょうか?
「照明器具を探す中で、タカショーというメーカーを知りました。
タカショーをきっかけに“エクステリア”という分野を知ったんです。
激務の日々で散歩が癒しの趣味だったのですが、改めてみどりっていいなあと思ったんです。
自然豊かな長野で育ったのでみどりは飽きていたというか関心はなかったのですが、
東京に住んでみてはじめて自然のチカラを感じました。
地元に戻りたいという気持ちもあり、地元に戻る時にエクステリア業も転職の視野に入れました。」
–やはり照明器具をプランに入れることが多いのでしょうか?
「できるだけ入れて提案するようにしています。その際に気を付けていることがあって…。
人物を配置してその空間でのシーンを見せること、スケール感が伝わるようにすることです。
パースの角度をできる限り「実際の目線」に近い角度にして、
帰宅時に家のあかりを見てほっとする瞬間を再現したいと思っています。
照明は費用対効果を考えると決して高いものではないのですが、
ライティングの効果について十分説明したにもかかわらず予算の都合上、
どうしても削らなくてはならない場合は、お客様自身で設置されることをお勧めしてします。
照明器具を販売することが目的ではなく、素敵な空間で暮らしてほしいというのが願いですので。」
–パースのお話がでましたが、パース作成の工夫についておきかせください。
「使う照明器具はバリエーションが豊富なLIXIL、タカショーの製品が多いです。
照明器具だけの光源では暗いので、光源を足しています。実物の光り方になるべく近づけたいので…。
照明器具と光源のセットを作り、各プランの植栽の種類によって削ったり追加したりしています。
ライトの配置が多い場合は光源が沢山になってしまうため、直接光と環境光を色分けして整理してます。」
▲RIKCAD作業画面(提供:長野外建企画)
– レンダリング設定はどのようにされていますか?
「確認の場合はレンダリングプリセットを使っています。時短に繋がってると実感しています。
パースを仕上げる時はレンダリング設定を調整しています。明るさ、彩度で全体を調整しています。
車にグロス感が出てしまうので屈折・鏡面のチェックは外したり、背景とトーンを合わせたり、
太陽光を変更して影の向きを変えたりといった工夫は加えています。」
–仕上がったパースに関して照明器具を入れた夜パースの再現度はいかがでしょうか。
「80%くらい再現できていると思っています。月明りの設定がもう少しできれば嬉しいのですが…。
ですが、この品質のパースが簡易的に作成できることにとても感謝しています。
パースの仕上げに他ソフトで彩度やコントラストを調整します。
紙やプリンターによっては見え方が違うのでその辺も加味しつつ調整します。」
–今年リリースされた照明マークアップ機能はもうお使いいただいていますか?
「はい、使っています。図面を見た方にとって非常にわかりやすいと思いました。
添付で照明器具のみの表も付けれたらいいですね!」
▲イメージパース(提供:長野外建企画)
:取材協力:
株式会社長野外建企画
代表取締役 坂口 芳博
所在地 長野県長野市
取材日 2025年5月8日