大阪と岡山、2拠点で活動し全国のCG案件に対応している株式会社帝塚山マルチバース。建築CGの製作に特化し、大手ハウスメーカー勤務の経験を活かし、インテリア・エクステリア共に意匠性と正確性を両立した表現を得意としています。代表取締役の大山直人氏にRIKCADの活用についてお話をお聞きしました。
心を動かす住宅提案用の動画作成を一手に引き受け
–現在の業務内容をお聞かせください。
「住宅提案用のCG制作が主な業務内容です。」
–なぜ住宅提案に特化されているのでしょうか?
「元は私自身がハウスメーカーの営業をしており、その後CG制作を請負う会社を起業しました。
自身の経験を活かし、ハウスメーカーより、営業目線で役立つプレゼンツールの製作を受けています。」
–CG制作では画像制作がメインなのでしょうか?
「メインは動画作成です。動画作成の過程でパース画像やパノラマ画像なども作成します。」
–動画作成時に気をつけていることやポイントはどこですか?
「動画にBGMをつけることで、感情豊かなエモーショナルな雰囲気を演出し、
高級感やラグジュアリーな雰囲気に仕上がるように努めています。
ダイナミックで派手な動画というよりは、ゆったりとしたリラックスした
時の移ろいを感じさせるようなものになるようにしています。」
–お客様は提案時のどのタイミングで動画を見るのでしょうか?
「プレゼン時の冒頭に動画をご覧いただきます。
お客様自身にプランに入り込んでいただくための、没入へと誘うスイッチの役割を果たしてくれます。
動画を見てスイッチングされることで、プランへの感情がより高まると感じています。
また、動画URLも納品しているため、お客様はご自宅で何度でも繰り返しご覧いただけます。
家庭内でご家族だけでの相談時に喜ばれていて、シニアやキッズにも分かりやすいと評判です。」
▲動画から作成した静止画(株式会社帝塚山マルチバース提供) ⇒動画はこちらから
導入の決め手は専門性の高い機能とオブジェクトの豊富さ
–RIKCAD導入のきっかけは何だったのでしょうか?
「導入前までは建築専用CADで作成したデータをTwinmotionに取り込み、動画を作成していました。
高低差が3~4mある外構の入力等は建築専用CADで描くのは限界がありました。
建築専用CADに登録されているエクステリアメーカーの部材も少なくて…。
外部空間設計に特化した機能があること、登録オブジェクトの豊富さがRIKCAD導入の決め手でした。」
–その他、何か気に入った機能等ございましたか?
「お取引しているハウスメーカーもRIKCADを使用しているので、
建物データの取込み等データのやりとりがスムーズなところが気に入っています。」
RIKCAD×Twinmotionを駆使して仕上げる
– RIKCADとTwinmotionがダイレクトリンクしていることで、作業効率は上がりましたか?
「ダイレクトリンクはとても便利だと思います。ですが、実は作業時間は長くなりました。
というのも、入力できる機能が増え、表現できることが増えたことが理由です。
作品のクオリティーが上がったので、満足しています。」
–RIKCADで入力して、Twinmotionで仕上げをされているんでしょうか?
「例えば「タカショーのセラウォールを使って」等の素材の指定がある場合は、RIKCADの登録部材を使います。
指定がないものに関しては、Twinmotionで素材の変更をすることもあります。
Kreaという生成AIを利用してエンハンスし、別のサービスでラフネスマップ、
ノーマルマップなどの凹凸感や光沢感を加えた画像を作成し、Twinmotionに読み込みます。
素材感にはとてもこだわっています。」
▲Twinmotion編集画面イメージ
–動画作成のこだわりを感じるのですが、作成時間はどれくらいですか?
「納品は約1週間です。
RIKCADから入力して、blenderなどの他のアプリケーションも使い、
Twinmotionで仕上げると作業の実働時間は平均3日ほどです。」
–動画作成の単価はどれぐらいでしょうか?
「物件の大きさや作成時間によってまちまちですが、15万円~20万円ほどいただいております。」
–最後に、今後の展望などお聞かせください。
「点群データ測量を強化していきたいと思っています。
3Dプリンターを利用した新たな事業のアイデアは模索しているところです。」
▲点群データを使用したイメージパース(提供:株式会社帝塚山マルチバース)
:取材協力:
株式会社帝塚山マルチバース
所在地 大阪府大阪市/岡山県岡山市
代表取締役 大山直人