

昭和49年創業、51年の歴史を持つ株式会社竜門園。移り行く時代に合わせ庭の在り方を変化させながら、付加価値のある住環境を提案し続けています。代表取締役の齋藤 靖士氏にお話しをお聞きしました。
この記事のポイント
株式会社竜門園
昭和49年創業の造園会社
和庭園を中心に発展し、現在は外構・エクステリア工事も手掛ける総合造園会社
時代のニーズに合わせた柔軟性
「鑑賞の庭」から「使う庭」へ時代に合わせた提案の変換
ハウスメーカー・ゼネコン3割、公共事業3割、個人エンドユーザー4割
RIKCADの早期導入で事業成長
2005年に導入。手描きに比べ、作業効率・プレゼン力のアップを実感
外構提案や公共事業提案で主に活用、和庭園のプロジェクト等でも活用
- 今後の展望
庭を通じて「豊かなライフスタイル」を提案し、地域とのつながりを大事にしていく
時代に合わせたフレキシブルな変化
竜門園の現在の受注の比率は、ハウスメーカー・ゼネコン3割、公共3割、エンドユーザーが4割となっている。
手掛ける案件数に伴い、植栽管理の契約を結ぶ案件も増加している。
和庭園を住宅に作りたいという要望は年々減少傾向にあり、年間で和庭園の案件は5件ほどだという。
齋藤「鑑賞の庭から、使う庭へ時代とともに変わっています。宮城県は車社会なので、駐車スペースを確保する必要性も高いです。コロナ禍を経て、庭で過ごすことに癒しや楽しさを見出すライフスタイルも定着し、さらに庭に機能性を求める方が増え、外構・エクステリアの案件が増えてきました。」 |

▲伝統的な和庭園からモダンなエクステリア施工まで幅広く対応(写真提供:株式会社竜門園)
いち早くCADを導入。事業の幅を効率良く拡大
宮城県・福島県・山形県・岩手県・青森県と、東北を中心に商圏にしている。
月の新規案件は5~7件、案件単価は200~500万円。
展示会への出展やWEBサイトを通じての問合せもあるが、OB顧客からの紹介が一番多いという。
エクステリア・外構の案件も請け負いだしたのが2000年代初頭。2001年にはRIKCADを導入した。
和庭園を手掛けていた造園会社がCADを導入するにあたり、障壁はなかったのだろうか。
| 齋藤「弊社はCADの導入に関して、かなり早かった方だと思います。手描きだと手間が大変だったこともありますし、何よりイメージが伝わりやすいと実感しました。和庭園など伝統的な庭づくりも手掛ける会社ですが、新しいものに対してウェルカムな、受け入れる風土がある組織です。CADを活用するのはエクステリア・外構工事の場合がメインです。和庭園の提案の際は『あくまでイメージです』とお伝えしています。公共事業の提案の際も、3Dパースを作成し、完成図をお見せすると、良い反応をしていただけることがあります。CADをいち早く導入したことで作業の効率化、提案力のアップにつながったと思っています。」 |
プロジェクトで3Dパースの本領が発揮される
現在、RIKCADは3台導入されている。
正確な施工図とイメージを共有しやすいパースは職人の方々にも見やすいと評判だ。
図面の読み違いによる施工ミスも起きにくい。
外構・エクステリアの受注案件を伸ばしている竜門園を見て、CADの導入を検討する同業者もいるという。
| 齋藤「和庭園の造園だけでなく、エクステリア・外構工事まで請負う場合は専門性の高いCADを導入する方がいいかと思います。作業効率、クオリティの差が歴然です。公共事業の提案にも、活用できますし。和庭園の提案でも、CADを活用することはあります。仙台市青葉山公園内に保存されている、残月亭(茶室)の茶庭を作庭した時に平面図だけではなく、パースを作成して、一緒に作庭する協会の仲間たちに共有しました。複数の人数が関わるプロジェクトはイメージの共有、相互理解が最大のポイントです。そのような場面では、口で説明するよりも、パースで構想が明確になり効果を感じました。」 |

▲残月亭イメージパース(画像提供:株式会社竜門園)

▲残月亭施工写真(画像提供:株式会社竜門園)
今後の展望として、斎藤氏はもっと展示場を利活用し、地域とのつながりを生み出すこと、豊かなライフスタイルの形成のために、庭ができる可能性を提示することを語った。

:取材協力:
株式会社竜門園
所在地 宮城県仙台市
代表取締役 齋藤靖士
