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事例・実績 株式会社 久留米庭苑

10年連続でRIKコンテストに応募しつづけ何度も和風大賞を受賞してきた株式会社久留米庭苑。
コンテストに応募する理由、受賞できる工夫、今後の人材育成についてなど代表取締役社長の髙畑政義氏、古賀裕美氏、北川めい氏にお話をお聞きしました。


 

–RIKコンテストへは10年連続でご応募いただき、今まで何度も受賞されています。
  コンテストへ応募する理由はなぜでしょうか?


「1年に1回、去年の自分を超える・チャレンジしてもらう意図で応募を促しています。
拒否権はありません(笑)。」

 

 

 

–北川さんは新入社員ということですが…新人1年目でコンテスト応募というのはプレッシャーでしたか?


「プレッシャーはありましたが、それより楽しそう!という気持ちの方が大きかったです。」

 

 

 

–1年に1回、今までの自分を超えるスキルアップのためにRIKコンテストをご活用いただいている、と。
  受賞の反響や効果のようなものは感じていらっしゃいますか?


「意外と効果は薄いです…。同業者はもちろん弊社の受賞を知ってくれているみたいですが、
エンドユーザー様に刺さるかというと、それほど効果はないと思っています。
お取引のあるハウスメーカーへ『技術力のあるスタッフが在籍し、受賞しています!』というPRにはなっていると思います。
私は、受賞した社員自身の大きな自信になることが一番の効果だと思っています。

 


▲RIKコンテスト2024 和風大賞 古賀裕美氏

 

 

作品についてですが、2024年の和風大賞を古賀さんが受賞されました。
  久留米庭苑は今までも和風カテゴリでのご応募が多いのですが、それは戦略なのでしょうか?


「はい。和風カテゴリに絞って出すのは戦略です。
和風作品を描くのはとても難しく、テクニックがいります。ですのでスキルアップになります。
弊社は和風の案件がほとんどありませんので、和風の物件を描く機会がないです。
コンテスト作品で和風の物件を描くことで、新しい描き方・技術・見せ方が習得できます。
それで得た技術や見せ方、工夫点は間違いなく日々の業務に役立ちます。
あとは和風カテゴリは応募数が少なくて受賞しやすいのでは?という目論見もあります。」

 

 

–では、和風作品を作るというのは社長が決めているわけですね。
  作品のアイデア等は各個人で模索するのでしょうか?


「普段は和風の物件を描くことはなく同じお庭とはいえ、かなり違う世界観ですので
雑誌やインターネットなどの和風庭園を見て、イメージを膨らませていきます。

 

 

 

–制作時間はどのくらいでしょうか?


「業務の隙間時間に描いているので正確には把握できていないのですが…。
描きはじめたのは12月末です。締切が1月末ですので、1ヶ月近く業務の隙間時間に描きました。
締切が近づくと結構、時間を割きました。
イメージを膨らませて描いたプランを社長にお見せして、アドバイスをいただいて何度か修正して…
という感じで完成させていきました。」

 

 

 

– 和風大賞の作品制作で難しかったところはどのあたりでしょうか?


「実は普段、Twinmotionを使っていないのですが今回挑戦してみました。
なかなか慣れなかったので、操作のコツをつかむまで難しかったです。
光の加減や、水の流れている感じなどの調整がかなり時間がかかりました。
偶然の産物というか、色々調整しているうちにいい感じの空気感になって
あとはレンダリングも色々設定を変えて何十枚も撮って…。
そのうちのこれだ!と思ったベストな1枚を応募しました。


「最初は水の上という設定ではなかったのですが、私が見た時に水の上にあるように見えて、
本人に聞いたら水の上にあるわけではない、と。でもその表現も面白いかも!となり、
水面の表現や雨の水滴の落ちてくる表現など、こだわって制作しているようでした。
回廊の奥行や廊下の板の凹凸なども、指摘するときちんと軌道修正して。
完成した作品を見て、頑張りが見て取れました。

 

 

 

–北川さんは新入社員ということですが…今、入社してどれくらいでしょうか?


「弊社のOB顧客様が経営されている居酒屋で、北川さんのお母様と私がまず知り合いまして。
それで、高校三年生の娘が進路に悩んでいる、とお聞きして。
絵を描くのが好きなようだと聞いて私のところへ預けてみないか、と申し出ました。
高校生の時から月2回くらいアルバイトとして入ってもらっています。
私が描いたプランをCADオペレーターとして作図する作業をしてもらっていました。
2023年の3月に卒業し、弊社に入社することになり現在は古賀が指導係として育成しています。」

 

 

 

–そんな出会いがあるんですね…!好きだった絵を描くということがお仕事に繋がったんですね。
  CADはすぐに習得できたのでしょうか?


「はい。マニュアルを見たり、古賀さんに教えてもらったり、わからないことはチャットボットで確認して習得しました。」


▲RIKコンテスト2024 新人賞 北川めい

 

 

–北川さんも2024年度の新人賞を受賞されています。
  とても大規模な和風庭園の作品ですが、制作で難しかったことなどはありますか?



「そもそもまだ知識が乏しいのでたくさんの方にアドバイスをいただきました。
雑誌などで和風庭園を見てイメージを膨らませて…そのイメージ図でいいのか、社長に何度も尋ねました。
工事部の職人さんに植栽の色合いの確認をしていただきました。
季節感としておかしくないか、施工的におかしくないか、
『実際の大きさはこんな風にならない樹種だよ』とか『ここに樹木があった方がいいよ』など、
アドバイスをいただいて修正しました。
あと、石の配置バランスもちゃんとランダムにしてアクセントになるように敷くことなど、
実施工に近いものを作ることを心掛けました。

 

 


–北川さんもTwinmotionで仕上げてらっしゃるんですね。


「はい。私も普段はTwinmotionを使用しないので手探り状態でしたが、
Twinmotionを操作することに慣れて少しはスキルを習得できたと思います。」

 

 

 

–社長の狙い通りにみなさんスキルアップしていらっしゃいますね…!
  RIKCADを業務で使用する上で、強み・弱みを感じることはありますか?


「強みは一定のクオリティのパースが描けることですかね。
逆にいうと誰でもキレイなパースが描けるので差別化しにくいのが弱みかもしれません。
だからこそ弊社は一人、一人の技術力を高めていくことを目標としています。
それはCADの技術力に限らず、プレゼン技術、施工技術を合わせたトータルの質の高さのことですが。」

 

 

–久留米庭苑のプランニングのこだわりなどはありますか?


現在は私ではなく従業員が主体となってほしいと思っています。
ここ2年ぐらい、私主体の会社ではなく従業員主体の会社へとシフトしているところです。
私の持っているスキルを共有したり、教えられていなかったと思いまして。
今は月に2回くらいスキル講習会を開催しています。
その時にコンテスト作品へのアドバイスを時間を多くとって行うこともありますし、
日々の業務やプレゼンに関することなど様々な内容の講習会です。

 

 


–きちんと場を設けて社長から直々にスキルを教えてもらえるのは良い機会ですね。


勉強会をしているからこそ、任せられることも多くなってきました。
難しかったり特殊な大型案件でなければ、ほぼ描けるようになっています。
プランニングする上でのこだわりはというと一言でいえば「チーム力」です。
物件を見て「あの会社が作ったんだな」という特色はあえて、出さないようにしています。
もちろんプランニングに特色を付け会社をブランディングするのは大切な事だと理解しています。
ただ、そのブランディングにより「会社が是とするプランニング」ばかりが頭にあり、
実際にプランニングするスタッフが楽しさを感じられなければ本末転倒かなと思うのです。
個々のスキルや表現を最大に活かしてほしいです。もちろん施主様の意図は汲み取った上で。

 

 

 

–作図時間と年間作成枚数はどれくらいでしょうか?


「作図は3名でやっており、ざっと年間360~400枚弱は作成しています。
作図時間は個々のレベルによっても違いますが、CADの作図時間は大体1営業日ほどです。」


▲パースと平面図

 

 

–ハウスメーカーとエンドユーザーの比率はどれくらいでしょうか?


「9:1でハウスメーカーが多いですね。
ハウスメーカーの案件は、現調からプランニング、作図まで含めて3営業日で納品します。

 

 

–早いですね…!新規案件とリフォーム案件の比率はどうでしょうか?
  今後、リフォーム案件を増やしたいと思いますか?


「9:1で新築物件が多いです。特にリフォーム案件を増やそう!とは思わないですが、
効率よくいかに利益率を上げていくことは課題のひとつです。
弊社はスキルの高い人材が揃っており、品質の高さは自信があります。
その辺りをきちんとアピールして価格設定を見直していくのも課題かなと思います。」

 

 

 


–年商と社員数、商圏をお聞かせください。


アルバイトを含めて7名です。弊社とだけ契約してくれている職人さんも3~4組いるので、
仕事は途切れないように努めています。年商は2億円弱です。商圏は福岡県南部と佐賀の一部です。

 

 

 


–案件の平均単価、成約率はどのくらいでしょうか?


「単価は平均すると200~250万円くらいです。
成約率は、私がハウスメーカーの営業さんと同行で行く場合は8割はあります。
実際に施工する者が出向くことで、施主様の不安なことはその場で解消できて、
打ち合わせの段階でトントンと話がまとまることが多いからです。」


▲パースと平面図

 

 

 

-今後の展望をお聞かせください。


働いている皆が輝けるための、環境整備ですね。
コンテストや講習会を通じて個々のスキルアップし個性を発揮できる会社。
あと働き方の見直しです。残業は極力しないように、定時で帰りプライベートを大切にして、
ワークライフバランスを整えられる働き方を推進したいです。


:取材協力:
株式会社久留米庭苑
代表 髙畑 政義

所在地 福岡県久留米市

取材日 2024年7月30日

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