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事例・実績 グリーンスペース

兄弟で切り盛りしているグリーンスペースではRIKCADを用いた提案をしています。
個人のお客様、建築設計士、インテリアデザイナー、アパレルショップなどからオファーが次々に相次ぐ理由とは。
既成概念にとらわれず仕事の領域を押し広げていくお二人に庭と緑に対する考えをお聞きしました。


 

–お二人は今では多方面から注目を浴びていますが、どのような経緯で注目されるようになってきたのでしょうか 


「全然仕事がない時代が数年間、ありました。
たまに作庭の依頼があっても二人で「いい仕事したな」って言うだけで反響がない。
だから、二人でつくったものを雑誌『庭』の編集長宛に出してみようってなって。
当時「ニューウェーブ」という若手の特集ページがあって、そこに出してみたんです。
何にも反応がなかったら自分達の方向性を考えなおそうかと決めて。
そしたら近畿圏ではじめて「ニューウェーブ」のコーナーに掲載されたんです。
そこから全国の庭を仕事とする人と付き合いができていきました。

 

 

–いきなり掲載なんてすごいですね。ではそれを皮切りに次々とお仕事の依頼が…?


「ありがたいことに他の雑誌とかにも載りはじめたんですけど、依頼は増えなくて。
2~3年くらいそんな状態で。そうこうしてるうちに東日本大震災が起きて、
そこから一年くらいはさらに依頼が~ガクっと減ってしまって。
ところが、なぜかわからないんですけど震災の一年後くらいから今までずっと途切れることなく、
庭の仕事の依頼が入ってくるようになりました。」

 

 

–火がつくまでに歳月がかかった感じですね。 


よく人から「わかりにくい」って言われるんですよね
それは僕らの情報発信が『庭』のことだけじゃなくて、本のことだったり、古庭園のことだったり、
イベント情報だったり、自分たちが興味を持ってる様々なことを発信しているからだと思うんです
「こいつら面白いな」って思って仕事の依頼をくれるのかもしれませんが、
逆に言うと「誰でもいいから庭を作れる人を探している」人には関心を持ってもらえないのかもしれません。
でも僕らの価値観や姿勢を知った上で依頼してくれるお客様とお付き合いしたいので、
それでちょうどいいと思ってます

 

 

–お仕事の依頼は建築家が多いのでしょうか?


「建築家からの依頼もあるし一般のお客様から直接もあるし、インテリアデザインの会社からの依頼も増えていますね。」

 

–インテリアデザインですか? インドアグリーンとしての提案ですか? 


インドアグリーンではなく「室内から眺めた庭、中からどう庭を見るか」にシフトしている気がします
アパレル系の店舗などの依頼もありますし。
割合的には建築家が半分、直接のお客さんとその他の依頼で半分くらいの感じです。


APartMENT ROOM206 写真:増田好郎

 

 

–現在、どんどん依頼が増えていると思いますが管理(手入れ)もされていますよね。
いつかオーバーフローしてしまうのではないでしょうか? 


「そうですね、仕事を受けて庭を作り続ける限り管理の仕事は増え続けます。
正直、手入れは儲からないけど、経年で庭をつくっていくというのが
本来の「庭造り」なので手入れをしない庭なんて考えられないんです

手入れすること自体も楽しんでやらないとダメだと思うので。
オーバーフローしそうな時は人員を増やすか、新しく受ける仕事を減らしたりするしかないですね。
手入れはおろそかにできませんし、そこからお客様との本当の付き合いが始まると思っています。
庭は施工して終わりじゃなくて、そこから一緒につくっていくものですから。


「一春越えないとお客さんが信用してくれないというのもあります。
僕らの提案していることを四季を通じて感じてこそ、やっと理解してもらえる
枯れやトラブルがあった時の僕らの対応を見て自然と信頼してもらえたりというのもあります。」

 

 

–なるほど。お手入れを通じて、グリーンスペースさんの姿勢が伺えますね。


「手入れが毎年入ってるはずなのに良くなってない庭を目にすることありませんか?
機械的に流れ作業で刈っているだけのような剪定の…。
本当は木の枝ぶりや特性を考慮した手入れって技術的にものすごく難しいんです。
植物は生き物だから調整するのがとても難しいもの。刈り込んで終わりじゃないはずなんです。
だからこそお客様にとっての「手入れ」の価値を高めたいと思うんです


「経年で庭が良くならないんだったら最初の僕らの提案が活きないんです。
竣工時のみの見栄えのいい庭は誰でもつくれると思います。
そこから三年後、五年後の姿まで考え抜かないと良い庭を作ったとは言えないんじゃなかと思います。
かといって「竣工時」の美的センスを捨ててしまってもダメだと思います。
そこはそこでちゃんと勝負できないと世間にたいして受け入れてもらえない。
作った時の美しさ、経年してなお魅力が出る庭、両方満たさないとこれからは仕事がないんじゃないか、
そういうイメージを二人で共有しています


PIECE HOSTEL SANJO 建築:OHArchitecture 写真:Satoshi Shigeta

 

 

–最近は手入れなどの理由で庭はいらないというお施主さんもいらっしゃいます。
住居における庭の必要性についてはどう思われますか?


「僕達は落葉樹をよく植えるんですが、それは四季の変化が感じられるし、
何より単純に心地いいから。心地いいと思えるのなら、あった方がいいのでは。
ただ人それぞれ感じ方はあるので「あるべきだ」とは思わないです
安易に庭を作っても、ちゃんと管理や手入れができなかったら、荒れてみすぼらしくなってしまうだけ。
生き物を扱う責任というのも出てくるので。


「僕も家に庭があるべきだ、とは思わないです。
緑は良いものっていう押し付けもちょっとどうかなと思います
求める人は求めればいいし、誰にでも必要っていうものでもないと思います。」

 

 

–都市における緑の役割などについてはどう思われますか? 


質のいい緑をいかに提案できるか、が重要だと思います。量じゃなくて質
緑を都市にふんだんに取り入れる事が必ずしもいいとは思えないです。
みんなが楽しめて、心地いいグリーンの空間って量より質にあると思います。
もっと緑の質を楽しめる価値観になっていけばいいと思います。
道の街路樹も、住居の庭も、都会の緑も考え直す時が来ているんじゃないのかな、とは思います

–今後のますますのご活躍を期待しています!


H_BEAUTY&YOUTH 南青山店

 


:取材協力:
グリーンスペース

取材日 2016年8月19日

 

 

 

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