ガーデンデザインやガーデンリフォームをメインに、ガーデンショップではワークショップなどを開催して
「庭を通じたライフスタイル」をずっと提唱してきた香川県のGARDENS。
ハイセンスかつナチュラルなガーデンは全国のガーデナーの注目の的。
「人々が庭を愛して生きていくにはどうすればいいか」を常に考え、アプローチしている代表・宮本里美氏と
そのデザインをカタチにするCADオペレーターの勝井氏、皆見氏にお話をうかがいました。
–香川県のGARDENSと東京にあるGARDENS GARDEN、2つの会社で活躍中の宮本さんが
RIKCADを導入するきっかけは…
「GARDENSではわりと規模の大きな物件を受けることがあります。
その際、手描きで描くのが大変だったこととGADENS GARDENでは全国に図面を届けないといけないので、
建築CADと連携できた点も大きいです。あと、バージョンアップのたびに進化していますよね。
導入前からずっとパースなどは見ていました。RIKCADの精度が進化しつづけそうだなと思えたことも決め手の一つです。
CGパースならではの、手描きとは全く違うクオリティを求めていたので。」
–庭づくりの中でテーマにされている「庭育」についてお聞かせください。
「最近の子はやはり自然に接する機会は少ないです。自然に接する時間が少ないと、生きていく力が弱くなると思います。
五感が鈍くなり、思考力が低下するのではないか、と。五感が養われると生きる楽しみが増幅します。
人間として共鳴する心や豊かな感性を育てるには、感覚的な分野が小さい頃に刺激されていないとむずかしいです。
でも、外で遊ばせるにはリスクもある時代。だから家の庭で「庭育」を。自邸の庭で感性を育むことを推奨しています。」
【GARDENSショップ内】
–キッズ向けのガーデン教室も開催されていますね。
「キッズ向けのガーデン教室は人気がありたくさんのお子さんが参加してくれています。
植物の成長を人間に例えて、球根を赤ちゃんだよって生命の慈しみをまじえて話すと子どもたちも植物が愛しくなります。
好きなものがどんどん増えると発想が豊かになります。花が咲いていると心がときめく、いい香りは心が感じるとか、
そういうことを肌感覚として幼いうちから知る事は大切です。
以前とあるイベントで、幼稚園生に『好きなように公園を描いて』とお題をだしたんです。
ファンタジーのような公園を描くかと思ったら、公園と管理人室とトイレと駐車場を描いたんですよ。
お城があって、動物がいて、お菓子の家があってなんてものではなくて、公園のまわりにコンビニ、イオンが描いてあったり。
普段から目にしている現実の公園しか描けない子が少なからずいたんです。」
【キッズ向け以外にも様々なワークショップを開催。コミュニティの創出にも。】
–感性を育むために身近に自然が体感できる場はやはり重要ですね。
「庭育としてのガーデンも大切ですが、死ぬ時もお庭って大切で。
2~30年前のお客様は奥様はガーデンを作りたいのに旦那さんが反対するパターンが多かった。贅沢なもの扱いだったんですね。
施工から20年以上も経つと、顧客の中には最期をご自宅で過ごされる方もいらっしゃるんです。
庭が見えるところにベッドをもってきて庭を眺めていらっしゃる、と。毎日の楽しみは少しずつ自然に変化していく庭になったそうです。
『あの時は庭づくりに反対したけど、庭をつくってもらえてよかった。僕が亡くなったら宮本さんに伝えてほしい』と奥様からきいて…。」
–園芸療法の極致のようなお話ですね。看取りの庭…。
「別の顧客からも大切な人を亡くしてふさぎ込んで家から出れないけれど、毎日庭をみてどうにか過ごしていますってお話をきかせてもらったり…。
家族が毎日よりそい続けるのは難しい、家具やインテリアはただの物質、庭はそばにいて変化を感じさせてくれる、生きているという思いをくれる。
天井ばかり見ているよりは幸せだと思うし、辛い時にこそ庭の効果や存在価値は一番わかるのかもしれません。」
–庭育につづき、庭療法の役割までも担っていますね。
「心療内科で作庭やお手入れしているのですが先生が『患者さんがお花をきれいだと言い出したらよくなってきた』と一つの目安にしているそうです。
患者さんもそうですけど、付き添いのご家族も最初はお花やグリーンの存在に気づかないそうなんです。
ご本人が回復してくるとご家族がまず気づき、ご本人も『花がきれいだ、植物に癒される』という感覚を取り戻すそうです。
やっぱり人間には必要なんです、自然の力が。それを身近に取り込むことができるのが庭の持つ魅力。
RIKCAD五感まで刺激できるようなクオリティにできたら嬉しいですし、CADオペレータの子も描くことが楽しくなるんじゃないかなと思います。」
–GARDENSのCADオペレータの仕事の流れは…
勝井
「宮本や弊社デザイナーが書いたプランをCADで起こします。GARDENS GARDENで月30件ほどのプランがあり、
その中から厳選された大規模物件だったりモデルガーデンだったりがこちら(GARDENS)にまわってきます。多い月は10件ほどです。」
–RIKCADの使用感はどうでしょうか。
皆見
「私は以前の職場では他社CADを使用していました。慣れるまでは難しいと思いました。ですが細かい様々な表現ができることに驚きました。
オリジナルで作るものが多いのでツールを使って様々なものを作れるのはうれしいです。板塀やパーゴラなど、さっと作れるのは助かります。
ほとんどの商品が登録されているので、検索したらすぐに見つかるのも嬉しいところです。」
–平面図の表現にこだわりをおもちだとお聞きしたのですが…
勝井
「宮本が理想としている平面図(海外の設計のものなど)を見て、それに近いものをRIKCADで線の色や線の強弱、樹木の輪郭線をださないで表現しています。
早く仕上げること、誰が担当してもGARDENSの図面として一定のクオリティにする事を目的に、独自のレイヤー設定をつかって工夫しています。」
–施工現場やお手入れのお仕事もされているんですよね。
勝井
「お庭のお手入れや施工現場のお手伝いにもたまに行きます。時間が許すなら積極的にいきたいと思っています。
実際の経験があるのとないのではできあがってくる図面の深さが違うと思っていて…。
施工や植栽のお手入れ、四季を通じて現場を体感していることがGARDENSのオペレータの強みだと思っています。」
【パースイメージ】
:取材協力:
有限会社グラスハウス
代表 宮本里美
所在地 香川県高松市
取材日 2019年12月10日