RIKコンテストで総合大賞グランプリをはじめとした数々の賞を受賞してきた中村達也氏と三好俊典氏。
ずば抜けて高い技術力はどのように培われたのか、業務での提案パースのこだわりなどをお聞きしました。
RIKコンテストで総合大賞グランプリをはじめとした数々の賞を受賞してきた中村達也氏と三好俊典氏。
ずば抜けて高い技術力はどのように培われたのか、業務での提案パースのこだわりなどをお聞きしました。
–RIKコンテストへのご応募はいつからでしょうか?
「2010年の開催がはじまった年から応募してガーデン賞を受賞しました。ですので、初応募は14年前になりますね。」
–ちなみに応募のきっかけなどは覚えていらっしゃいますか?
「実は…ガーデン賞の賞品がiPadだったんです。iPad欲しいなと思ったのがきっかけでした(笑)
もちろんスキルの可視化という目的もありましたが、きっかけはiPadです。」
–それで、狙い通り受賞しているのがすごいです…!
その後少し期間が空いて次の受賞は2015年に和風優秀賞、2018年に総合大賞グランプリを受賞されたんですね。
「そうですね。毎年応募していたわけではないですね。いつもギリギリまで出そうか迷っていて…。
出した年は三好や社内のスタッフにコンテストに出した方がいいんじゃないですか、と後押しされ出していました。」
–2018年には三好さんも優秀作品に選ばれています。三好さんはこの年が初応募になるのでしょうか?
応募のきっかけをお聞かせください。
「2018年のプールの作品が初応募ですね。最初は単純に腕試しというか、自分のスキルを試してみたくて。」
–2019年にお二人とも優秀作品に選ばれ、2020年に中村さんがランドスケープ大賞、三好さんがファンタジー優秀賞を受賞。
2021年に三好さんが総合大賞グランプリ受賞、中村さんが準動画賞を受賞。
2022年には三好さんがライティング大賞と動画大賞をW受賞、中村さんがテクニック賞を受賞。
2023年には三好さんがテクニック賞と優秀賞、中村さんが奨励賞を受賞。
2024年には三好さんが優秀賞、中村さんがテクニック賞。動画部門で三好さんが優秀賞を受賞されています。
お二人ともお弊社のイベント等でテクニックについてセミナー講師としても登壇いただきました。
なぜRIKコンテストに応募し続けていただけているのでしょうか?
「最初のきっかけは腕試しでしたし、自己顕示欲は少なからずありました。
今はどんなプランが作れるか、どこまでクオリティが高められるのか挑戦になっています。
自分の能力の確認になり想像性が養われますし、毎回応募の度にスキルアップしていると実感します。
新しい発見があり、できることが増えていくんです。」
–コンテスト作品の着想はどこから得ていますか?
「ピンタレスでいいなと思うデザインをチェックしておいて自分の中で咀嚼して融合する事が多いです。」
「私もピンタレストからアイデアを得ることが多いです。」
– 作成にかかる時間と作成時のポイントをお聞かせください。
「作品にもよりますが大体1週間くらいです。動画は1か月くらいですが業務の空き時間に作成しているので、実際の時間の割り出しは難しいところです。
作成時のポイントは特にはないんです。コンテスト作品は好きなように好きなだけやるだけという感じで…。」
「私も業務の隙間時間でやっています。まず描きやすいものをパッと1日ぐらいでモデリングします。
装飾をスケッチハブという外部サイトのデータを使用して…2024年度の作品だと石像などがそうですね。
植栽も外部データを購入して使用しています。
建物とかその屋根とか手すりなどはRIKCADの断面マネージャーツールで書いてます。
色々な合わせ技でなるべく効率よく仕上げています。」
–三好さんはTwinmotionで仕上げていますよね?
「はい。私は実務でも100%Twinmotionを使用しています。
RIKCADよりレンダリングが早く、使い慣れているのでTwinmotionの方が馴染んできました。
RIKCADのレンダリングも美しいですが個人の好みとしてTwinmotionのレンダリングが好きですので。」
–中村さんはRIKCAD以外に使用されているソフトウェアはありますか?
「私はLumionを使用しています。ですが、今後はBlenderも使用したいなと思っていて
現在、色々模索している最中です。」
–CADを使用する強みと弱みについてお聞かせください。
「提案時に目の前でプラン変更を行いますのでお客様の要望に即座に応えることができ、
お客様に納得いただいて顧客満足度に繋がることは強みだと思います。」
「以前まではフォトリアルなパースはご好評いただいていましたが、
最近は様々なソフトが増え、比較的容易に高品質のパースが作成できるようになりました。
その辺の優位性がなくなってきたこと、差別化できなくなってきたことは弱みかなと思います。
その差別化のためにも先ほどお話したBlenderなどを活用しようと模索中です。」
–現在のお客様の層はどういった感じでしょうか。
「8割がハウスメーカーからの案件で、2割が直接弊社にご依頼がある案件です。
でも弊社はwebサイトにあまり力を入れておらず…。ほぼ既存のお客様のご紹介やリピート顧客様です。」
–全体の8割がハウスメーカーからの受注ということで高く信頼されていると察するのですが、要因はなんでしょうか?
「そうですね。割と信用していただけているとは思います。
大規模であったり、高低差が激しいなどの難易度の高い案件も任せていただけているので…。
プランニングとプレゼンの品質も自信はありますが、施工の詳細図を作って現場での指示を行い
協力いただいている熟練の職人さんに仕上げていただいています。
きっちり図面通りに仕上げてくれる品質の高さも信用度の要因ですので、本当に感謝しています。」
「打合せの場でCADお見せしながら提案し、その場で何パターンも作っています。
打合せ回数も減り、こちらの修正も少なくなります。
先述しましたが、お客様に納得いただいていることも信頼に繋がっている要因かと思います。」
–新築案件とリフォーム案件の割合は? 案件の平均単価を教えていただけますか?
「新築案件とリフォーム案件は8:2くらいです。新築の平均単価およそ250~300万円です。
ローコスト系住宅の場合ですと150万から200万円以内です。リフォーム案件だと150~200万円くらいです。」
–成約率はどれくらいでしょうか?
「ハウスメーカー案件だと8割、直接の案件だと7割くらいです。
最近は相見積もりを取る方も増えてきました。」
–作図時間と年間作成枚数はどれくらいでしょうか?
「新規案件で6時間ほど、年間100~120枚は作成しています。」
–従業員数と商圏、年商をお聞かせください。
「従業員は5名です。営業兼設計が3名、経理、作業の補助的なスタッフがおります。
エリア的には山口県です。年商は3億円弱です。」
–中村さんも三好さんもそれぞれに高い技術をお持ちですが、お互いにノウハウの共有などはされるのでしょうか?
「いえ、全くしないです。お互いに何をやっているかも知らないです(笑)
コンテストに出すのかさえも知らないです。
今年は出す気ないのかな?って思ってたら応募してた、みたいな感じで(笑)。」
「今年は頑張って苦手なTwinmotionで作成して応募しましたが…やはり苦手だな、と。
Twinmotionは三好に任せて、私は他のことを追求しようと改めて思いました。」
–意外でしたが程よい距離感がお二人の絶妙なバランスの秘訣かもしれないですね。
今後も作品を拝見できるのを心待ちにしています!
:取材協力:
有限会社エクステリアの森
代表 中村 達也
所在地 山口県山口市
取材日 2024年7月5日
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